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秋田の子どもたちと未来のエネルギーを考える。発電会社JERAとサッカークラブによる地域密着の次世代教育

秋田の子どもたちと未来のエネルギーを考える。発電会社JERAとサッカークラブによる地域密着の次世代教育

2026.10.13

2050年のゼロエミッション社会の実現を目指す。その目標は、一企業だけで成し遂げられるものではありません。企業や地域、そして、そこに住む一人ひとりが将来を見据えながら、ともに取り組んでいく長い挑戦です。JERAは、その実現に向けた取り組みの一つとして、次世代へのエネルギー教育や地域との共創活動に取り組んでいます。
その一環として、2026年5月、秋田県を拠点とするJ2所属のプロサッカークラブ・ブラウブリッツ秋田(以下、BB秋田)と共同で、小学生向け体験型学習プログラム「エネルギースクール」を開催しました。発電会社であるJERAが、なぜサッカークラブとともに次世代と向き合うのか。本記事では、当日のプログラムの様子とともに、秋田県におけるJERAとBB秋田の取り組みをご紹介します。

洋上風力発電事業は地域とともに。
次世代へつなぐ“エネルギースクール”

2025年8月、JERAは、英国エネルギー企業bpとJERAの洋上風力事業を統合させたグローバルな洋上風力企業「JERA Nex bp」を立ち上げました。このJERA Nex bpの日本法人であるJERA Nex bp Japan合同会社、電源開発株式会社、東北電力株式会社、伊藤忠商事株式会社の4社が出資する「男⿅・潟上・秋⽥Offshore Green Energy合同会社」が秋田県男鹿市・潟上市・秋田市沖で洋上風力発電事業を進めています。

日本海から吹く豊かな風は、脱炭素社会の実現に向けて大きな可能性を秘めた貴重な資源です。しかし、その恵みを発電事業に生かすために、発電所立地地域にお住まいになる皆さまの理解と協力が欠かせません。

そこでJERAグループが考えたのは、スポーツを通じた地域との関わりでした。2026年2月、JERAはBB秋田とスポンサー契約を締結。地域に愛されるサッカークラブとともに、スポーツを通じた地域活性化や次世代育成に取り組んでいます。今回の取り組みの場となったBB秋田のクラブハウスも、地域とクラブが交わる大切な拠点の一つです。そのような拠点で、地域に根差した活動を続けてきたBB秋田とJERAが、それぞれの強みを持ち寄り、地域の未来に貢献できる取り組みとして実現させたのが“エネルギースクール”です。

サッカーを入り口に、エネルギー問題を「自分ごと」化

エネルギースクールは、「エネルギー×サッカー」をテーマに、地球温暖化や多様な発電方法、エネルギーミックスについて学習する体験型プログラムです。当日は、BB秋田アカデミーで練習に励む小学生32名に加え、中村 亮太選手、才藤 龍治選手が参加。JERA社員による解説のもと、プロ選手とともにエネルギーについて学びました。

スクールではまず、地球温暖化による酷暑や豪雨が、スクール生が大好きなサッカーの練習や試合に影響を及ぼし、思うようにプレーできなくなりつつある現状について学びました。その上で、私たちの暮らしに欠かせないエネルギーを将来にわたって安定的に利用していくためには、環境への影響も考えながら活用していくことが重要であると理解を深めました。その後、自らの手でエネルギーを作る手回し発電にも挑戦しました。子どもたちは、中村選手、才藤選手の応援を受けながら懸命にハンドルを回し、普段、当たり前に使っている電気を生み出すことの大変さを体験しました。

また、発電方法の特徴をサッカー選手の個性になぞらえて学びました。例えば、風力発電は発電時にCO2を排出しない「未来のエース」として紹介。

サッカーで一人の選手だけに頼ることが難しいように、発電も一つの方法だけでは安定した電力供給はできません。子供たちは火力、太陽光、風力などの発電を組み合わせる「エネルギーミックス」の考え方を学び、「風力発電は(BB秋田の)〇〇選手!」といった声も上がりました。

普段は難しいと囚われがちとなるエネルギーに関する話題を身近なサッカーに例えることで自分ごとして考えてもらいたい。それが、このプログラムの狙いでした。

スクールには、株式会社ブラウブリッツ秋田・岩瀬 浩介代表取締役社長も登壇し、J2のプロサッカークラブとしてエネルギーや環境問題に取り組むことを宣言。学んだことを日々の生活で実践しながら、家族や友人にも伝えていくことが大切だと子どもたちに呼びかけました。

授業後には、「地球温暖化について学び、自分の行動を変えるべきだと思った」「節電の大切さを知らない人にも伝えたい」などの感想がスクール生から寄せられました。中村選手は「環境問題への意識を持つきっかけになればうれしい。自分自身も参考になる内容だったので、自身の行動を見つめ直したい」とコメント。才藤選手も「サッカーを通じて学びを行動につなげてもらえるのではと感じた。サッカーに関わる人々の未来を守るためにも、こうした取り組みを続けていきたい」とスクール生を前に話しました。

環境問題を学び、そして未来のエネルギーを考えることは、未来の地域や暮らしを考えることでもあります。地域に根差すサッカークラブと共催したエネルギースクールは、子どもたちにとって新たな気づきを得る機会になりました。

地域の課題に向き合い、ともに未来を考える。ゼロエミ2050の実現に向けたアプローチ

今回のエネルギースクールの企画を主導した総務部 総務渉外ユニットの永原 達朗は、「2050年までにゼロエミッション社会を実現させるためには、エネルギーや環境問題について自分ごととして考えられる次世代の存在が欠かせない。単に知識を伝えるだけではなく、地域の皆さまと一緒に未来を考える場を作りたかった」と語りました。

その背景には、BB秋田との出会いがありました。BB秋田は、Jリーグのサステナビリティ評価「Sport Positive Leagues(SPL)」で日本一を目指すべく、地域とともに環境課題へ積極的に取り組むクラブです。JERAはこの秋田BBの姿勢に共感し、エネルギー事業者としてどのような共創取り組みができるかをともに考えた末に、エネルギースクールの開催に至りました。地域に根差したクラブと連携することで、エネルギーや環境問題を子どもたちにとって身近なものとして伝えられる。そして企業、クラブ、地域が同じ方向を向くことで、一社だけでは生み出せない広がりを作り出せると考えています。

地域との共創取り組みは、次世代教育の場にとどまりません。BB秋田のクラブハウスでは、太陽光発電設備や蓄電池を活用した「健康防災」の取り組みが進められています。平時は健康づくりの場として、災害時には電力を確保できる避難拠点として機能し、地域の皆さまの健康と防災を支える拠点となります。JERAも、潟上市、秋田県サッカー協会、BB秋田と連携しながら、この取り組みを支援しています。電気は、平時には日々の暮らしを支え、災害時には人々の命と安心を守る重要なインフラです。そうしたエネルギーの価値を地域に提供することも、地域とともに歩むJERAの姿勢を現すものです。

こうした次世代育成や地域との信頼関係づくりは、今すぐに成果が見える取り組みではありません。地域の皆さまと課題に向き合い、解決策を探し、未来を考えていくことが、2050年までのゼロエミッション社会の実現につながるとJERAは考えています。エネルギースクールには、そんな想いを地域や次世代へ広げていきたいという願いが込められています。

コラム|エネルギースクール 登壇者の声

「秋田一体」で日本一をつかみたい
ブラウブリッツ秋田 岩瀬 浩介 代表取締役社長

JERAとともにエネルギースクールを共催したBB秋田・岩瀬 浩介代表取締役社長に、エネルギースクール開催への想いを伺いました。

プロサッカークラブの存在意義は、ピッチ(グラウンド)だけにとどまらないと考えています。サッカーというスポーツを通じて地域の皆さまとつながり、その暮らしや未来に貢献していくことも大切な役割です。その想いが、今回のエネルギースクールやクラブハウスで進める健康防災の取り組みにつながりました。

スポーツには、人を動かし、人と人をつなぐ強い力があります。だからこそ、環境や地域の未来といった社会課題に対しても大きな責任を持って向き合うべきだと考えています。JERAとの取り組みも、その一つです。

私たちの取り組みは、クラブだけで実現できるものではありません。サポーター、選手、スポンサー、自治体、地域の皆さまが同じ方向を向き、BB秋田の吉田 謙監督が日頃から語っている『秋田一体』となって未来をつくっていくことが大切です。サステナビリティは、みんなで積み重ねていくもの。その輪を秋田から広げ、日本一のサステナビリティ県、そしてSPL日本一を目指していきたいと思っています。

今回のエネルギースクールには、地域の未来を担う子どもたちに学びの機会を届けたいという想いを胸に、企画から当日の運営までJERA社員も関わりました。

好奇心あふれる子どもに、未来を考えるきっかけを
JERA 東日本総務部 地域渉外ユニット 髙岸 壮知氏

私が所属する東日本総務部地域渉外ユニットでは、発電所立地地域における地域共生活動や、地域の学校のニーズに応じた次世代教育などに取り組んでいます。

私自身も発電所見学のガイドを務めるなど、子どもたちと接する機会が多く、今回のエネルギースクールも地球温暖化対策を考えるきっかけになればとの想いで企画に携わりました。

一方で、エネルギーや環境問題は小学生にとって身近なテーマではありません。そこで、サッカー用語を交えて伝えるなど、子どもたち目線に立って内容を考えました。

当日は、一度に作ることができる発電量を「パワー」、需給への対応速度を「スピード」、CO2を出さないことを「クリーン」いう能力値にたとえて様々な発電方法の特徴を説明したところ、「太陽光発電はクリーンなんだ!」「火力発電ってパワーもスピードもあって強い!」といった声が飛び交うなど、想像以上の反応を得ることができました。子どもたちの好奇心あふれる元気な姿に触れ、私たち自身も多くのエネルギーをもらいました。将来を担う世代の学びに関われることは大きなやりがいです。こうした取り組みを発電所立地地域に広げ、一人でも多くの子どもたちに未来を考えるきっかけを届けていきたいと考えています。

「楽しかった、また学びたい」と感じてほしい
JERA 環境調査部 環境調査戦略ユニット 根本 直樹氏

環境調査部では、発電所敷地内の緑地における生物多様性保全に加え、カーボンニュートラルや環境アセスメントをテーマにした環境教育にも取り組んでいます。今回は、BB秋田が推進するSPLの「教育」「生物多様性」の分野でご相談をいただき、これまで培ってきた知見を生かし、地域の子どもたちがエネルギーや環境問題について考えるきっかけをつくりたいとの想いで参画しました。

環境教育は幅広い年代層を対象とするため、内容が汎用的になりがちですが、今回はアカデミーに通う小学生が対象だったため、「楽しかった」「もっと学びたい」と感じてもらえることを大切にしました。発電の仕組みをサッカー選手に例えたり、イラストを活用したりと、総務部、環境調査部で連携し難しいテーマでも直感的に理解できるよう工夫を重ねました。手回し発電の体験が特に盛り上がり、子どもたちが電気を生み出すことの大変さや価値を体感してくれている様子が印象的でした。

イベント後には、「これからは電気を大切に使いたい」という声も聞かれました。短い時間ではありましたが、エネルギーや環境問題を自分ごととして考えるきっかけを届けられたことを嬉しく思います。今後も地域やパートナーの皆さまと力を合わせながら、分かりやすく、心に残る学びの機会を届けていきたいと考えています。

今回のエネルギースクールは、子どもたちにエネルギーや環境問題を学んでもらうだけではなく、地域に根差した企業とプロサッカークラブが力を合わせ、地域課題と向き合い、未来を考え、その学びを次の世代へつないでいく取り組みでもありました。

2050年ゼロエミッション社会の実現は、JERAだけで成し遂げられるものではありません。発電所立地地域の皆さまや、全国の自治体、そして未来を担う子どもたちとともに、一歩ずつ前へ進んでいくことが大切だと考えます。

この取り組みが、子どもたちにとって未来を考えるきっかけとなり、地域の新たな可能性へとつながっていくことを願っています。2050年、社会の中心にいるのは、エネルギースクールの教室で好奇心をむき出しに学んでいた彼らかもしれません。次世代とともに歩んでいくために、JERAはこれからも地域とともに脱炭素社会の実現に向けた挑戦を続けていきます。